ホーム サステナビリティ 明日にいいこと。つなげる、つづける。 「7つの重点課題」活動レポート 認知症の方に、もっと日常が楽しめる場所を。 デニーズで「認知症本人ミーティング」

「7つの重点課題」活動レポート

2024.2.9

  • 課題1

認知症の方に、もっと日常が楽しめる場所を。
デニーズで「認知症本人ミーティング」

デニーズで「認知症本人ミーティング」

セブン&アイ・フードシステムズでは、認知症の方が自分らしく希望を持って暮らせる社会の実現を目指して、デニーズと行政の連携による「認知症本人ミーティング」を実施しています。


これは、デニーズの店舗を認知症の方の交流の場として活用する取り組みです。認知症への偏見をなくし、地域の方に普通のことと受け入れられる場所づくりから共生社会の実現を目指す株式会社セブン&アイ・フードシステムズ 総務部 サステナビリティ推進 岩城 明子さんにお話をお聞きしました。

Chapter 1

認知症の方が、社会に一歩踏み出すために。

デニーズで「認知症本人ミーティング」開催に至ったのは、認知症の方の支援に力を入れる千代田区からの協力要請がきっかけ。


「千代田区で実施している認知症本人ミーティングは、日常生活では訪れることの少ない区の施設の会議室で行っていて参加者の方が自ら発言することが少ないという課題を持っていました。

街の中にあるデニーズなら、誰かが促さなくても自然に会話が広がるのではと期待して声をかけていただいた」と、岩城さんは話します。


また、認知症の初期の方が、いきなり行政や病院・デイサービスが運営するカフェに入るのはハードルが高く、勇気がいること。家から外へ連れ出すことが一番良いと言われる初期段階の方にこそ、気軽に一歩踏み出してもらいたいという思いから、デニーズでの認知症本人ミーティング開催に向けて動き出します。

Chapter 2

正しい知識と理解が参加者の方の安心に。

実施にあたっては、本人ミーティングの会場となる店舗の協力と理解が必要不可欠。スタッフは事前に認知症サポーター養成講座を受講し、正しい知識を身につけます。ここで一番苦労したのは、スタッフに“認知症の方も普通のお客様と同じ”と理解してもらうこと。

そのため、本人ミーティング実施前は、参加される認知症の方が安心して過ごせるか不安を感じたこともあったと岩城さんは語ります。しかし、いざミーティングを実施すると「今まで一度も口を開かなかった当事者の方が、自ら話をしてくれた!おいしそうなデザートを目にして笑顔がこぼれた!」と行政の方が驚くほどの変化が。


「お茶をしながら楽しく会話できること自体がうれしいと、皆さん大変喜んでいました。感謝の言葉も多すぎるほどかけていただき、これはスタッフのモチベーションアップにもつながっています。」と、岩城さんは取り組みに確かな手ごたえを感じたそうです。

Chapter 3

認知症の方と、地域をつなぎたい。

2024年2月現在、認知症本人ミーティングは東京都千代田区、大阪府堺市、千葉県市原市など全国12自治体・15店舗のデニーズで開催されています。ホームページをご覧になってお声かけをいただいたり、岩城さん自ら行政に働きかけ、少しずつ開催店を増やしていますが、中には「うちの自治体ではそこまで体制が整っていない、など断られることも少なくない」と言います。

この取り組みはデニーズだけでは運営できず、参加者の募集や地域包括支援センターとの橋渡しは行政の協力があってこそ。


「開催に向けて何から始めればいいか分からないという自治体にも、認知症の方にとって楽しく会話できる場所がどれだけ大切かを知ってもらえれば、この取り組みは広まっていくと思う。」岩城さんは、認知症の方が抱える思いや悩み・考えを語り合える場所を一つでも多く増やすために、活動を続けていきたいと語ってくれました。

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