お客様の“変化”に合わせて、千倉瀬戸浜海岸店も“変化”。

「南房総市の高齢者比率は半数近くにものぼります。」鈴木オーナーは、日々お客様と接する中で地域の高齢化を感じていました。千倉瀬戸浜海岸店が『あんしんお届け便』をスタートしたのは2013年11月、そのきっかけは地域に密着してきたからこそ分かる“変化”だったと話します。

「この店がオープンしたのは27年前。当時から高齢者の多い地域で、このままでは近い将来、お買物に苦労する方がもっと増えるなという危機感を抱いていました。ある時、ご自宅でケガをされた高齢者が近隣の方に気づいてもらえないケースがあったことを知り、大変ショックを受けました。以前から千倉瀬戸浜海岸店は、お食事やお酒などを注文いただいて配送するセブンミールというサービスの対応店舗です。南房総市の高齢者見守りネットワーク事業に賛同しており、“異変を感じたら即連絡”を徹底しています。」普段から地域のお客様と接しているからこそ、高齢の方々の暮らしにもっと近づくべきだと実感したのです。
「お客様が来られないなら、こちらから出向けばいい」そんな思いのもと、鈴木オーナーは『セブンあんしんお届け便』の実施を決断。千倉瀬戸浜海岸店は、高齢者の生活を支援するお店へと“変化”し始めます。

毎日の便利をのせて、走れ｢あんしんお届け便｣！

『セブンあんしんお届け便』の実施を決断したものの、スタートするにあたっては、 “どこで・誰に・何を” 販売するかという、課題を抱えていました。中でも運行ルートの作成には大変な苦労があったそうです。
「お客様や運行ルートは全くの白紙状態。私たちは日々のお買物に不便を感じている方にお届けしたいのですが、そういったお客様の情報を持っていません。自治体へ相談することも考えましたが、まずは自分たちで何とかしてみよう！と。お客様や地域の皆様にお話をうかがうなど、リアルな情報を集めて１日でも早いスタートを目指しました。他にも、お届け先に移動販売車の駐車スペースがあるかといった様々な課題がありましたが、何よりも“本当に困っている方に行き届くこと”を最大限に配慮しました。」
そして迎えた2013年11月12日、セブン‐イレブン千倉瀬戸浜海岸店初の『セブンあんしんお届け便』が出走します。

1週間の配達件数は12件から開始した『セブンあんしんお届け便』も、2023年11月現在では週平均45件に。「セブンさんが来てくれるから免許返納したよ」という方がいるほど地域の皆様から頼りにされるサービスへと成長しました。当時は全く決まっていなかった移動販売のルートも、今では「どこどこに行ってあげて」「うちにも来て」など、お客様の声から徐々に拡大。「スタートして10年、今では地域のコミュニティとしての役割も担っていると実感しています。これからも地域の皆様に、便利にお買物をしてもらえるように、このサービスを長く継続していきたい。」と語ってくれました。

地域の暮らしと未来を守るために、できること。

そして今、千倉瀬戸浜海岸店ではEV車両の導入試験を実施しています。
EV車両の試験運行にあたり、セブン‐イレブン・ジャパン オペレーション本部 オペレーションサポート部の大内 実さんにお話をうかがいました。
「『セブンあんしんお届け便』は冷蔵設備を稼働させています。地域の皆様の暮らしを支えるため、環境にも配慮したより良いサービスを提供できないか、長年検討を重ねてきました。」と大内さんは語ります。

その熱い想いから試験導入に至ったEV車は、電気を燃料に走行するため排気ガスを排出しません。さらに、モーター駆動で走行するため騒音や振動も少なく、販売中のエンジン停止も可能です。環境負荷の軽減だけでなく、地域の皆様へより静音性の高い車両で便利をお届けできることになります。
「鈴木オーナーは、長年熱心に『セブンあんしんお届け便』に取り組んでいただいており、移動販売のノウハウも熟知されていました。今回のEV車両試験運行のご相談をしたのも、オーナー様の強い地域への想いにお応えするためです。EV車は従来よりも車両自体が大きくなるので、停車場所の調整やドライバーへの負荷、また充電の問題など、走行して初めて見えてくる課題もあると思います。ですが、地域のためにできることをオーナー様と一緒に考えて、より良いサービスにしていきたいですね。課題を解決するためのサポートをこれからも続けていきます。」と大内さん。

今までも、これからも。小さな変化を見逃さず課題の解決に取り組み、一つひとつ乗り越えてきたセブン‐イレブン千倉瀬戸浜海岸店。お客様にこだわりの商品や便利なサービスを提供することに留まらず、地域の暮らしと未来を守るために走り続けます。