ホーム サステナビリティ 明日にいいこと。つなげる、つづける。 「7つの重点課題」活動レポート 安全性とおいしさにこだわった「セブンプレミアム」ポテトサラダ作りの現場 ~セブン&アイグループが考える“つくる責任”~

「7つの重点課題」活動レポート

2023.2.3

  • 課題2
  • 課題3

安全性とおいしさにこだわった「セブンプレミアム」ポテトサラダ作りの現場 ~セブン&アイグループが考える“つくる責任”~

今回ご紹介するのは、セブン&アイグループが取引先メーカーとの共同開発で手がけるパウチ惣菜「セブンプレミアム」シリーズ。原料のおいしさと、商品の安全性にとことんこだわった開発の背景には、どのような思いがあるのでしょうか。食品メーカー、(株)ヤマザキとともに取り組む、ポテトサラダ作りの現場を、北海道の工場に訪ねました。

――安全・安心でおいしい商品を届けるために

2007年、セブン-イレブンのプライベートブランドとして「セブンプレミアム」が誕生しました。煮物やサラダなどをパウチタイプの袋に詰めた惣菜シリーズは、自宅での調理の手間を省き、好きなときに手軽に食卓に彩りを添えることができる商品として、幅広い世代に愛されてきました。おいしさはもとより、安全・安心を追求した、お手頃でハイクオリティな商品は、技術力のあるメーカーとの共同開発によって生み出されているのも特徴です。
なかでも人気の商品であるポテトサラダは、「もう一品シリーズ」などでも知られる食品メーカー、 (株)ヤマザキとのタッグで製造されています。2022年8月に行われた商品のリニューアルを担当したのは、セブン-イレブン・ジャパン商品本部のマーチャンダイザー、山本圭祐さんでした。

出荷を待つ「セブンプレミアム」のポテトサラダ

「セブンプレミアムはもともと単身者をメインターゲットにしていましたが、忙しい子育て世代や子どもたちにもおいしく食べてもらいたいと、リニューアルにあたってミーティングで生の声などを聞き、添加物をなるべく使わない、当たり前に安心して生活に寄り添えるような商品にしたいと思って取り組んできました。その中で、特にポテトサラダについては、いままでも(株)ヤマザキと共同で、原料となる男爵芋の旨味とホクホク感をいかに表現するかという味のことから、農家さんとの継続的な生産体制まで、様々なやり取りを進めてきました」

昼夜の寒暖差が大きく、雨が少ない北海道で育った男爵芋

55種類ほどのじゃが芋から原料として選んだ北海道産男爵芋の旨味とホクホク感を最大限に表現するために、専門家を交えて話し合いを重ねながら、ベストな配合を作り上げていきました。最終的な目標に近づけていくために、芋の蒸し具合や温度、原料と調味料を混ぜる回転スピードや時間など細かな調整が繰り返されました。
「何ヵ月も試行錯誤を重ねたことで、最初の試作から相当おいしいものにブラッシュアップした自信作になりました。塩麹や果実酢を、芋とマヨネーズのつなぎとして使うことで、より立体的な味わいを引き出しています。(株)ヤマザキと共同で、原料となる男爵芋の旨味とホクホク感をいかに表現するかという味のことから、農家さんとの継続的な生産体制まで、様々なやり取りを進めてきました」

雪を入れる前の雪氷貯蔵の倉庫

この開発と製造を支える(株)ヤマザキの工場は、雄大な自然に恵まれた北海道の旭川市にあります。ここでは、原料となる道産の男爵芋を運ぶのに適した立地を活かし、原料の調達から保管にいたるまで、専門的な知識と技術による、おいしさを追求した仕組みを構築しています。契約農家が育てた芋は、土がついたまま専用のスチールコンテナに入れられ、そのまま工場の倉庫へと運ばれていきます。通常の市場からの仕入れでは、農家が市場に卸す時に、サイズの選別や区分けによってどうしても弾かれてしまうものが出てくるが、畑でできた芋をまるごと買い取ることで、農家が廃棄する野菜をなくすことができます。
こうして年に1回8~9月に収穫された男爵芋は、通年で使用できるよう、土の中に眠っているような状態を保ちながら保管されています。特徴的なのは、12月から春まで降る雪を利用した「雪氷貯蔵」です。この方法では、雪を詰めたコンテナを芋の倉庫に積み上げて入れることで、冷暖房を使わず、最適な湿度と温度の中で、より自然に近い状態で芋を貯蔵することができます。
「おいしく長期保存するために、スチールコンテナのまま、農家の畑から工場の倉庫にダイレクトに運ぶというのが大きなポイントです。そうすることで、大きさを選別するラインで芋が転がされて細かい傷や衝撃を受けたり、人の手が触れる際の温度変化などのダメージを軽減することができます。ポテトサラダを作る上では、味のために小さい芋を弾く理由はありませんし、農家さんが選別などにかけているコストを減らすこともできます。また、雪氷貯蔵することで、電力の使用料を年間3割ほど削減しています」

スチームピーラーという機械で、蒸気で薄皮だけを剥ぐ工程

そう話すのは、(株)ヤマザキ原料生産技術部の山崎海志さんです。契約農家とより良い関係を築きながら、ベストな状態でキープされた芋が、製造ラインにのせられていきます。芋を洗った後、皮を剥く工程では、スチームピーラーという機械で、皮の下の一番おいしい部分をなるべく残し、薄皮だけを剥きます。芽取りの工程は一つひとつ、20~30人による手作業で行います。

芽を取る工程は、すべて手作業で行っている

「男爵芋は芽の深い品種なので、薄く皮を剥く分、傷みや芽などを取り除くトリミングの工程が増えてしまいます。厚く剥けば工程を省くこともできますが、芋のおいしい部分を残すために、そこは妥協せずにやっています。原料のおいしさを最大限に引き出し、余すことなく使用するからこそ、添加物を一切使わないポテトサラダが可能になるんです」

芽を取った芋は2センチ角にカットされ、平らに並べてから蒸す工程へ

下処理の後は、カットして蒸しの工程へ入ります。そして最後は、ほかの野菜と調味料を合わせて、芋が潰れすぎないようミキシングしてから、袋に充填して出荷します。製造過程で出たじゃが芋の皮などは、飼料の原料として活かされます。排出される野菜くずを自社の工場で堆肥にできる設備も静岡に備えているといいます。
「グループ全体で一日35トン以上の野菜くずが出ますが、それを100%資源化して、畑に返す取り組みを行っています。自社の工場で、自分たちで堆肥化することで、農家さんに迷惑をかけないように、畑に戻しても安全な状態まで、きちんとリスク管理をすることができるんです」

芋、人参、玉ねぎ、調味料を入れて混ぜ合わすミキシングの工程

セブン&アイグループと(株)ヤマザキとのポテトサラダ作りでは、契約農家からの直接仕入れのほかにも、生産者と持続可能な農業を可能にする様々な取り組みが行われています。セブン-イレブン・ジャパンの山本さんは、持続可能な農業を実践するためのJGAP指導員の資格を取得しています。生産者に寄り添い、農家が抱える問題などを理解しながら、より良いものづくりについて考えています。

ここから袋詰めの工程へ

「通常、農家では生産性を上げてより良い男爵芋を育てるために、異なる品種の作物を1年毎に育てる方法が取られています。そうすることで、土の栄養状態を保ち、収穫量が減ったり、味が悪くなったりするのを防ぐことができるんです。男爵芋の次の年に育てる品種の作物に関しても、今後、(株)ヤマザキと別の形の商品として開発して取り入れられれば、農家さんが畑でより良いものを作るための協力もできますし、お客様にも新しい商品を喜んでもらえる。男爵芋の収穫量を増やすだけでなく、他の作物を作ることも応援していきたいなと考えています。ポテトサラダに限らず、農家さんが一つひとつこだわりを持って作ってくださっている原材料を、お客様に伝わるいい商品に仕上げていきたいですね」
と山本さんは話します。契約農家とコミュニケーションを取り合いながらの原料生産から、その原料を大切に保管し、余すことなく商品にして、野菜くずを活かすところまで考えた、セブン&アイグループと(株)ヤマザキのものづくり。安全・安心でおいしいポテトサラダは、こうして私たちの食卓に届けられています。

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