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人権リスクの評価

人権リスク評価の目的

 セブン&アイグループは、社是に掲げる「信頼と誠実」の精神のもと、すべての人の人権を尊重し、あらゆるステークホルダーの皆様とともに社会の発展に資する事業活動に取り組んでいます。当社は、バリューチェーン上のすべての人の人権を尊重するため、2021年に「グループ人権方針」を定め、本業を通じてすべての人の人権尊重に取り組んでいます。当社は、世界人権宣言やOECD多国籍企業行動指針、ILO国際労働基準、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、ISO26000を支持し、国連グローバル・コンパクトに署名しています。当社は、当社グループの事業活動が人権に影響を及ぼす可能性のあることを認識し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく手順に従って人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、人権課題を解決し、持続可能な社会の実現に向けまい進します。人権課題の解決にあたり、当社はグループの事業活動に関係する主要なステークホルダーの人権課題を特定しました。

人権リスク評価のプロセス

Step.1 セブン&アイグループのステークホルダーと人権課題の整理

バリューチェーン上のステークホルダーと人権課題整理 グループのバリューチェーンおよび事業内容を踏まえつつ、グループの各事業会社へのヒアリング、CSR監査の結果などから人権リスクを洗い出し、人権課題を整理した。


Step.2 当社グループとそのサプライチェーンの人権リスク評価

主要なグループ会社の業務(14 業務)、お取引先様の事業(122 事業)およびサプライチェーンついて、人権リスク評価を実施しました。サプライチェーンの人権リスク評価にあたってはCSR監査の結果も参考にしています。


Step.3 人権リスクマップの作成

人権リスク評価に基づき、各人権課題に対して深刻度スコアと発生可能性スコアを算出し、それぞれをマッピングしました。


Step.4 情報公開

上記結果をホームページにて公開しました。


■外部レビュー・評価基準

すべてのプロセスにおいて、人権分野における専門家と意見交換を実施し、アドバイスをいただきました。負の影響の特定・評価にあたっては、Business and Human Rights Resource Centre(BHRRC)のデータベースを活用し、業界で国際的に指摘される人権課題に対する調査を実施しました。

【強制労働】Walk Free Foundation, The Global Slavery Index

【児童労働】Global Child Forum & UNICEF、Children's Right and Business Atlas

【差別】①世界経済フォーラム、The Global Gender Gap Report

    ②Minority Rights Group International、Peoples Under Threat

【結社の自由と団体交渉権】国際労働組合連合、The Global Rights Index


人権リスクの深刻度・発生可能性スコアの算出

■深刻度

  •  以下の通り、それぞれの人権課題について、①規模、②範囲、③救済困難度の3要素を検討・点数化し、深刻度スコアを算出しました 。
  •  ●プロセス1:人権課題ごとの規模・範囲・救済困難度の算出
    •  1.規模:生じる可能性のある負の影響の重大性
  •   ・1件の事故により複数の人員の死傷につながる可能性
  •  2.範囲:負の影響を受ける可能性のある人数(あるいは影響を受ける可能性がある対象のステークホルダーに占める割合)
  •   ・当該事業所従業員、顧客、地域住民や市民社会に影響が及ぶ可能性、その人数もしくは割合
  •  3.救済困難度
  •   ・負の影響を受けた人を、影響を受ける前の状態または影響を受ける前と同等の状態に回復させる上での制約・リスクが顕在化した場合、時間により回復することが困難であるか、金銭による救済が可能かどうか
  • ●プロセス2:人権課題の評価
  •  3.3つのプロセスの要素を人権課題ごとに Very Low から Very High までの 5 段階で評価
  • ●プロセス3:要素の平均スコアを各人権課題の深刻度スコアと定義

■発生可能性

    •  以下の通り、それぞれの人権課題について、発生可能性を算出しました。
    • ●プロセス1:各国における人権課題の発生可能性
    •   ・国の範囲:自社およびグループ会社の拠点国、ライセンシー契約のセブンイレブン店舗が所在する国、およびグループオリジナル商品の最終製造工程を行う工場の所在する国の中でリスクが高いとされる東南アジア地域の国(21カ国)
    •   ・以下の情報をもとに、各国における人権課題ごとの発生可能性を調査
    •   ・ 国際機関などが公表している国別の人権リスク指標
    •   ・ 上記の指標でカバーされない人権課題については、BHHRC(ビジネスと人権リソースセンター)が公表している人権課題ごとの人権侵害の国別発生件数
    •   ・ 発生可能性を、10段階のスコアに換算(0がリスクが低く、10がリスクが高い)
    •   ※参照元の一例
    •    強制労働・人身取引:Global Slavery Index 2018
    •    児童労働:Children's Rights in the Workplace Index
    •    結社の自由・団体交渉権:The ITUC Global Rights Index
    • ●プロセス2:国ごとのウェイト調整および各人権課題ごとの微調整
    •   ・人権課題ごとの国別発生可能性を、さらに自社の実態に整合させた数値とするために、ウェイト調整を実施
    •   ・ ウェイトは、総従業員数に基づいて設定
    •   ・ 10段階のスコアを上記ウェイトで重みづけをしたスコアを算出
    • ●プロセス3:各人権課題毎の微調整
    •   ・グループにおける人権課題ごとの顕在化した/潜在的な発生可能性について、事業特性やヒアリング結果に基づき調整を実施
    • ●プロセス4:発生可能性スコアの算出
    •   ・プロセス2でウェイト調整した人権課題ごとの国別発生可能性スコアと、プロセス3で整理したサプライチェーンにおける人権課題ごとの発生可能性のスコアを合計して、国別発生可能性スコアを算出

Step1:ステークホルダーと人権課題の整理

 以下の人権課題について、ステークホルダー別にリスクマップ上にプロットしました。

230331_画像_ステークホルダー別人権課題(日).jpg

Step2:グループとそのサプライチェーンの人権リスク評価

 自社、およびサプライチェーンそれぞれについて算出した深刻度スコア、発生可能性スコアを下図の通り、整理しました。

230407_画像_リスク評価_R1(日).jpg

※1 深刻度  :  5段階のスコアに換算(0がリスクが低く、5がリスクが高い)

※2 発生可能性:10段階のスコアに換算(0がリスクが低く、10がリスクが高い)

Step3:人権リスクマップの作成

深刻度を縦軸、発生可能性を横軸にして、自社およびサプライチェーンについて、それぞれの人権課題をマッピングしました。特定された高リスクな人権課題については、リスク低減のための具体的な対応策を検討し、実行しています。

人権リスクマップ(日)R2.png