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重点課題 2 安全・安心で健康に配慮した商品・サービスを提供する

品質管理体制の構築

 セブン&アイHLDGS. は、安全・安心な商品をお客様に提供するために、国際的な品質・衛生に関する管理マネジメントシステム規格や管理手法の導入に取り組んでいます。

  • SDGs2 飢餓をゼロに

グループ各社の品質管理の基盤整備

 セブン&アイグループ各社では、商品を仕入れる際に、品質管理部署が確認し、安全性が確保された商品を取扱っています。セブン&アイHLDGS. は、グループの一つの会社で起きた商品事故が、グループ全体に影響を及ぼすことを認識し、品質管理の体制整備に取り組んでいます。グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」の開発部門をはじめ、食品を取扱うグループ会社12社、衣料品・住居品を取扱うグループ会社10社の品質管理責任者が定期的に集まり、方針や情報を共有することで、事故の未然防止と事故発生時の迅速な対応を強化しています。具体的には、グループ各社において以下のような品質管理の基盤を整備しています。

品質管理の基盤整備

  • 品質管理の専門部署が客観的に事故への対応を判断できる体制
  • 重大事故発生時の代表取締役社長への迅速な報告体制
  • 重大事故発生時の商品回収・販売継続判断のガイドライン策定

品質管理に関する従業員教育

 セブン&アイグループでは、商品事故を未然に防ぐために、商品の開発・仕入担当者や売場の担当者に対して、品質管理に関する従業員教育を実施しています。2021年度は、研修内容について見直しを行い、将来の品質管理をけん引する人材の育成を目標に、教育カリキュラムの構築を進めています。

 衣料品や住居品の担当者に対して、グループ全体で外部の検査機関による「繊維研修」、「薬機法研修」を実施しています。「繊維研修」は、繊維製品(衣料品・寝具など)の担当者を対象に、新任の担当者には「繊維基礎研修」を、既存の担当者には「繊維素材研修」「繊維縫製研修」を実施しています。家庭用品品質表示法などの法令をはじめ、糸 → 織物・編み物 → 染色 → 縫製 → 検品という衣料品ができるまでの流れや、製造工場の工程管理、不良品事故のケーススタディなどの知識の習得を図ることにより、安全で上質な商品をお客様に提供することを目指しています。 また、サステナブルな素材に関する研修や、商品別研修カリキュラムを拡充し、内容の充実を図るとともにより専門的な知識を習得できる体制を構築しています。

2022年度 セブン&アイHLDGS.で実施した研修受講実績

研修内容 受講人数 受講率 受講対象者※1
TES※2取得サポート研修 11人

57.9%

衣料・住居品仕入担当者・品質管理担当者
衣料品の表示に関する知識研修 87人

86.1%

衣料・住居品仕入担当者・品質管理担当者
AQL※3の知識研修 33人

100.0%

品質管理担当者
機能性の知識研修 64人 75.3% 衣料・住居品仕入担当者・品質管理担当者
製品安全の知識研修 40人 65.6% 衣料・住居品仕入担当者・品質管理担当者
事故の要因分析研修 38人 100.0% 品質管理担当者
焼き物の知識研修 46人 69.7% 住居品仕入担当者・品質管理担当者
バス用品の知識研修 32人 82.1% 住居品仕入担当者・品質管理担当者
失敗学研修 32人 100.0% 衣料・住居品仕入担当者・品質管理担当者
住居品表示の知識研修 42人 53.2% 住居品仕入担当者・品質管理担当者
薬機法※4の知識 129人 100.0% 住居品仕入担当者・品質管理担当者
サステナブル素材の知識研修 97人 89.8% 衣料・住居品仕入担当者・品質管理担当者
  • 衣料・住居品に関する研修対象事業会社:セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、そごう・西武、赤ちゃん本舗、ロフト、 ニッセン、バーニーズジャパン
  • 繊維製品品質管理士
  • 合格品質水準
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

品質マネジメントの認証取得

 セブン&アイグループでは、食品・衣料品・住居品などについて品質管理を強化するために、各種品質マネジメントを取得しています。

食品安全マネジメント協会への参画

 セブン&アイHLDGS.は、日本国内での輸入食品の取扱いの増大(グローバル化)への対応と、国内の食品安全管理の向上を目的として、食品関係企業と農林水産省、大学の研究者の連携により、日本発の食品安全マネジメント規格の運営主体として2016年に設立された一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)※1の設立にあたり、国内外の食品メーカーとともに設立者の1社となりました。同協会が開発したJFS規格※2を活用することにより、サプライチェーンを構築する小売りグループとして食品の品質向上を目指しています。

 現在、食品を取扱うグループ5社※3がJFSM会員になり、グループ内の食品安全管理レベルの向上を推進しています。また、グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」やセブン-イレブンのお弁当、おにぎり、サンドイッチ、惣菜、麺類、パンなどのフレッシュフードを製造している工場に対して、JFS規格の認証・適合証明の取得を進めています。

  • 日本発の食品安全マネジメント規格(JFS規格)とその認証・適合証明の仕組みの構築・運営を行う機関
  • JFSMが開発したコーデックスHACCPを含む国際標準に整合した日本発の食品安全マネジメント規格
  • セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、シェルガーデン、セブン&アイ・フードシステムズ

国際標準に整合した食品安全マネジメント規格の認証取得

 セブン‐イレブンの店舗で販売している弁当や惣菜などの独自のオリジナル商品「フレッシュフード」は、日本デリカフーズ協同組合(NDF)※1に加入しているデイリーメーカーで作られています。NDFでは、食品衛生管理の国際標準化に向けたHACCPの制度化に対応すべく、2018年10月にNDF-HACCP認証制度を「NDF-FSMS認証制度※2」に改正したほか、2020年3月には、NDF加盟デイリーメーカーすべての工場が認証・適合証明を取得しました。(2023年3月末の工場数:176工場)

 同様に、グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」を製造するすべての工場において、ISO22000、FSSC22000、JFS規格など、コーデックスHACCPを含む国際標準に整合した食品安全マネジメント規格の認証・適合証明の取得を進めています。(2023年3月末現在、99.8%の製造工場が取得完了)

  1. 日本デリカフーズ協同組合(NDF):フレッシュフードの製造工場における衛生管理レベルの向上や、地区による商品品質の差をなくすために1979年に結成
  2. FSMS:食品安全マネジメントシステム(Food Safety Management System)。安全・安心な食品を消費者に届けるために、食品安全を脅かすハザード(危害)を適切に管理する仕組み

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GAP認証を取得

 イトーヨーカドーは、プライベートブランド「顔が見える野菜。」「顔が見える果物。」のさらなる品質管理レベル向上を目的に、農業生産工程管理手法の一つであるGAP認証(Good Agricultural Practice)の取得を推奨しています。GAP認証とは、安全性向上や環境保全を図るために日々の農場管理の中で実践すべき基準を定めたもので、2023年2月末現在、JGAPやそのほかのGAPの合計で307人の生産者が認証を取得しており、今後も継続して認証取得を進めていきます。

ISO22000の認証取得

 ヨークベニマルは、2018年3月にヨークベニマル大槻店(福島県郡山市)において、国際的な食品安全マネジメントシステムである「ISO22000」の認証を取得。その後、認証範囲をヨークベニマル本部まで拡大しました。今後は、2022年3月に合併した旧株式会社ライフフーズの惣菜工場などにも認証範囲を拡大をしていきます。また、認証取得の経験を活かし、各店舗の従業員教育を実施するとともに、HACCPシステムを全店に導入し、商品の仕入れから販売までの品質改善を一層進めながら、地域のお客様の食卓のさらなる安全・安心を実現します。

 また、ヨークでは、2020年4月にヨークマート練馬平和台店において、ISO取得の足掛かりとして位置づけられている東京都の食品衛生マイスター制度の1年更新審査に合格しました。

 なお、グループの食品製造メーカーであるアイワイフーズは、2016年8月にISO22000の認証を取得しました。

ISO9001をふまえた衛生管理

 セブン&アイ・フードシステムズは、衛生管理部署のQC室が品質マネジメントに関わる国際標準規格「ISO9001」の認証を取得しており、このシステムを活用して、店舗での衛生管理と従業員教育に努めています(適用範囲は「店舗における食品衛生管理システムの企画と提供」)。

 衛生管理については、誰もが実行できるわかりやすい鮮度管理に重点を置くとともに、QC室などによる店舗チェックと合わせ、第三者の衛生検査機関による抜き打ちの店舗衛生検査(ふき取り検査)を実施しています。また、店舗従業員への衛生管理研修を定期的に実施することにより、衛生管理のレベルアップを図っています。

画像①QC室差し替え写真.jpg

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衣料品・住居品の品製造工場の工程監査

 セブン&アイグループが販売している衣料・住居品については、グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」をはじめ、グループ各社のプライベートブランド商品などがあります。こうした商品の安全性を確保するため、国内外の製造工場に対して工程監査を実施しています。(2020年度はCOVID-19の影響で実施なし)

 衣料・住居品の製造工場に対しては、品質管理レベルを担保する公的認証が存在しないため、セブン&アイHLDGS.は独自の基準を策定し、グループ各社はその基準に基づいて外部の専門機関による監査を実施しています。セブン&アイHLDGS.では、監査の結果が一定の基準をクリアした工場に対して、工程監査「適合認証書」を発行しています。

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適合認証書

商品事故への対応と演習の実施

 セブン&アイHLDGS.では商品事故や商品不良がグループ内で発生したケースを想定し、定期的な演習を実施することで、事故発生から調査、報告、是正までの流れをセブン&アイHLDGS.と各グループ会社で相互に確認、事故対応体制の有効性を確認しています。万が一、商品事故が発生した場合には、速やかに社長に報告した上で是正対応を検討・決定し、品質管理の専門部署が是正措置実施と是正措置完了の確認を行っています。

品質管理の取り組みに対する表彰

 イトーヨーカドーは、経済産業省が主催する製品安全対策優良企業表彰※1において、経済産業大臣賞を受賞しました。これまで3度の大臣賞受賞を受賞し、2015年度に総合スーパーとして初の製品安全対策ゴールド企業※2に認定。2021年3月にフォローアップ審査を受審し、ゴールド認定の更新が承認されるとともに、ロゴマークに星印が付与されました。

  • 経済産業省が、企業の製品安全に対する意識の向上や企業の枠を越えて、製品安全という重要な価値を共有する「製品安全文化」の定着を図り、社会全体で製品の安全が守られる社会の実現を目的として、2007年度より実施している表彰
  • 認定から5年経過ごとに認定時の取り組みが引き続き維持されているか、審査委員会によるフォローアップを実施
  • 2011年 2013年 2015年 イトーヨーカドー:「製品安全対策優良企業表彰・経済産業大臣賞」受賞
  • 2015年 イトーヨーカドー:「製品安全対策ゴールド企業」認定
  • 2020年 イトーヨーカドー:「製品安全対策ゴールド企業」フォローアップ認定
  • 2021年 イトーヨーカドー:「製品安全対策ゴールド企業」更新

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製品安全対策ゴールド企業(星印付き)

重点課題2の取り組み