ホーム サステナビリティ 明日にいいこと。つなげる、つづける。 「7つの重点課題」活動レポート お客様と共に取り組むプラスチック対策【プラスチック対策編】

「7つの重点課題」活動レポート

2021.1.19

  • 課題3
  • プラスチック対策

お客様と共に取り組むプラスチック対策【プラスチック対策編】

世界的に関心の高いプラスチックごみ問題。環境問題により注視されるようになった昨今、自分自身も問題意識を持ち始めたライター吉田が、この問題に対してさまざまな対策を講じているセブン&アイグループに取材を行ってきました。今回お話を伺ったプラスチック対策チームのリーダーである高橋広隆さんは、すべての関係者と問題意識を持ち、環境に配慮した素材の導入などに尽力しています。

Chapter 1

海に蓄積し続けるプラスチック

スーパーやコンビニのレジ袋、お弁当やお惣菜の容器、持ち運びしやすいペットボトル。私たちの生活は、大量のプラスチック製品であふれています。
製造コストが安価で耐久性にすぐれたプラスチックは、私たちの暮らしの利便性を大きく向上させました。しかしその裏側では、正しく処理をされずに捨てられるプラスチックごみが大きな問題となっています。
その中でもっともクローズアップされているのは、海洋プラスチックの問題です。陸上から海洋に流出するプラスチックごみの推計は、地球規模で年間約800万トン(参考:環境省 令和元年版 環境白書)。2050年には、海の中の魚と同じ量にまで増えると予測されています。
一度海洋に放出されたプラスチックは自然分解されず、半永久的に海に蓄積され続けるといわれています。また、海洋を漂ううちに5ミリ以下の大きさになったマイクロプラスチックは、海洋生物が餌と間違えて体内に取り込み、最終的には食物連鎖によって私たち人間の口に入る可能性も考えられています。
日本はプラスチックの生産量およびプラスチックごみの排出量に関して、世界でも上位を占めています。現状における日本のプラスチックごみの総量は年間約900万トン(参考:農林水産省HP)。大半は燃やした熱を回収して利用する「サーマルリサイクル」に充てられていますが、この方法は焼却時に二酸化炭素を増加させてしまうことが課題とされています。

Chapter 2

セブンのロゴの入ったゴミに対する責任感

2019年5月に発表した環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』において、プラスチック対策の強化を掲げたセブン&アイグループ。チームリーダーの高橋広隆さんは、この問題について次のように語ります。
「セブン&アイグループ、中でもセブン‐イレブンは、日本有数の小売業ブランドとして多くのお客様に利用されています。
特におにぎりやサンドイッチといった商品がご支持をいただいていますが、それらが利便性を伴って消費されればされるほど、裏側にあるプラスチックごみの問題を強く意識せざるを得ない状況になってきました」
高橋さんは常々、「セブンのごみはよく道に落ちているね」と指摘を受けることに心を痛めてきました。

「おにぎりのフィルム、お弁当の容器、セブンカフェのコーヒーカップにレジ袋……。これらが街中に捨てられていることは、けっして少なくありません。経済活動の外側で発生する不利益に向き合うことは、私たちの宿命であると考えています」
現在の世界的な潮流として、プラスチックごみをはじめとする地球環境問題への意識は急速に高まっています。高橋さんはその一端をプライベートで感じることがあるそうです。
「我々の時代より学校教育がはるかに進んでいる世の中なので、企業としてがんばらなければと気持ちが引き締まりますね」

Chapter 3

環境を意識した素材づくり

バイオマス配合のレジ袋

セブン&アイグループは数々のメーカー様とのお取引があり、プラスチック対策をする際には、お取引先様の協力が欠かせません。
「GREEN CHALLENGE 2050としてメッセージを発信した際、たくさんのお取引先様から支持と共感が寄せられ、『ともに取り組みたい』というご意見をいただきました。象徴的な取り組みとして、日本コカ・コーラ様と完全循環型ペットボトルの開発に踏み切れたことは、我々にとって大事な出来事でした

一(はじめ)緑茶 シリーズの完全循環型のペットボトル

セブン&アイグループの店頭にペットボトル回収機を設置し、回収させていただいたペットボトルを原料として100%再利用している商品、「一(はじめ)緑茶シリーズ」。高橋さんは、「世界にも類を見ない完全循環型のペットボトルに対する反響は非常に大きかったです」と、語ります。
このほかにも、商品におけるプラスチック利用の削減を積極的に推進。セブン‐イレブンでは、ストローは紙/生分解性(海水中で微生物によって分解される)素材の環境配慮型に、チルド弁当の容器を紙容器に順次変更しています。また、人気商品「カップデリ」シリーズは、フタをシール方式にして30%のプラスチック削減に成功しました。

Chapter 4

地道な努力でプラスチック使用量削減を目指す

お取引先様を中心に関係の輪を広め、目標に向かって進んでいるセブン&アイグループ。課題を乗り越えるためには、お客様の協力も欠かせません。
「我々はたくさんのお客様に利用していただき、育てていただいたという自覚があります。その恩返しとしてプラスチック対策を強化し、未来を生きる子どもたちに持続可能な環境をバトンタッチしていきたいと考えています」

「セブン&アイグループでは、さらなる環境負荷低減を推進し、豊かな地球環境を未来世代につないでいくため、『GREEN CHALLENGE 2050』を提言し、目標達成に向けて取り組んでおります。1社だけでできることは限られますが、お取引先様との連携をはじめ、お客様や行政の方とも一緒に取り組んでいくことで、一歩ずつ確実にプラスチックの使用量を減らすことにつながっています。
「プラスチックの問題は、新たな技術が導入された時に解決に向けてジャンプアップする可能性があります。それまでは、多くの方と連携しながら、普遍的な活動を心掛けていきたいと思います」

Writer:吉田勉
Photographer:加藤史人
プラスチック対策チーム
チームリーダー

高橋 広隆

取締役 執行役員 サステナビリティ推進室長

新着コンテンツ

課題3の記事を絞り込む

いつもの暮らしの行動ひとつが、地球の未来に繋がっています。
できることからひとつずつ変えていく『GREENCHALLENGE2050』。