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セブン&アイグループのDXを推進する

グループDX本部は、どのようなビジョンを持ち、セブン&アイグループのDXを推進していくのか。そして業務ではどのような魅力や苦労があるのか。グループDX本部長の齋藤正記が語ります。

顧客に新たな体験価値を提供

- まず、セブン&アイグループの経営戦略について、お聞かせください。

2021年7月に発表した中期経営計画の中で井阪(セブン&アイ・ホールディングス代表取締役社長・井阪隆一)が説明していた通り、「よりVUCA *1な時代」と呼ぶべき現在の状況においては、個社ごとの対応だけでなく、セブン&アイ・ホールディングスがグループ各社の結節点となって連携を図りながら、グループ全体として様々な課題に対応していく必要があり、またそれができる機会がたくさんあると思っています。当社グループはコンビニエンスストア、食品スーパー、総合スーパー、専門店、銀行など多様な業態を擁しています。当社グループならではの多様な業態およびブランドを通じて培ってきたお客様との信頼関係をDXによって有機的に拡大し、新たな体験価値を提供することが求められます。

※1. VUCA: Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べたもの

- グループDX本部およびグループセキュリティ統括室ではどのような将来を見据えてDXを推進しているのでしょうか。

まず先ほど述べたような新たな体験価値を創造し最大化していくための施策の実行があります。特に『ラストワンマイルDXプラットフォーム』はその中核を為すものです。
例えば「車両・ドライバーの差配、配送ルート、配送料、受け取り場所・時間」を最適化するための、グループ独自の配送プラットフォームを構築することは、「居ながらにしてお店を訪れていただくのと同じようなお買い物ができて、商品も短時間でお手元に届く」という体験をお客様に提供する上で欠かせないものです。

また2022年2月末時点でおよそ2,300万人の会員数を持つ『7iD』をグループ全体の資産と位置づけ、お客様一人ひとりのライフスタイルやし好に合わせたインセンティブの提供や告知などで接点を広げるとともに、決済サービスを含めた新たな価値を付加しながら、お客様との接点を深めて、多種多様なサービスを楽しんでいただくための基盤を作って行くことも重要な戦略であり、私達の役割でもあります。
こうした体験価値の提供は、システムとバックヤードのインフラの両方が安全かつ安定的に運用でき、利便性だけでなくお客様に安心してご利用いただけることが担保されてこそ可能になります。そのためにはセキュリティの強化や、物流・店舗オペレーションの効率化といった守りの部分も非常に重要な要素です。

最初に述べた経営戦略の根底には「お客様に寄り添い、豊かな生活体験を実現する」という思想があります。DXの施策はそうした思想を実際のサービスで実現する上で必要不可欠な変革のエンジンです。直接、間接を問わず全ては「お客様に喜んでいただき、当社グループのことをますます好きになっていただく」という目的のためにあると言っても良いでしょう。

また我々は、セブン&アイグループのビジョンを実現するために、社員一人ひとりが、仕事のやり方や行動をどうすべきか分かるように「デジタル活用の行動指針」を定めています。

斎藤

ここでしか得られない経験値

- グループDX本部およびグループセキュリティ統括室の環境や雰囲気についてお聞きします。どのようなカルチャーがあり、どんなマインドやモチベーションを持った人たちが集まっている組織なのでしょうか。

野心的で熱意のある方、目的を達成するために何事にも前向きに取り組む方がたくさんいます。またコツコツと仕事を成し遂げて行く職人肌の方や、デジタルの力を使って新しいビジネスやサービスを創造しようと考えるクリエイティビティに溢れる方もいます。共通して言えることは「自分達がつくる、自分達が提供するサービスやシステムを通して、小売りの世界に新風を巻き起こしたい、社会課題を解決し貢献したい」と思っている方々の集まりと言えるでしょう。

もちろん目的はそれぞれ違っていても良いのです。グループ全体の使命や目指す方向性をしっかりと受け止めながら、自分自身の意志や想いといったものを融合させ、今日よりも明日、明日よりも更にその先を見据えながら創意工夫を惜しまずチャレンジし続ける……そんな方々の集まりとも言えるかも知れません。目標をしっかりもってそれを達成する実行力こそがここにいる仲間のエネルギーの源泉だとも言えます。

- そういったマインドやモチベーションを持った人たちがやりがいを感じやすい仕事が多い、ということなのでしょうか。

正直なところを言えば、課題はあります。ITやデジタルの領域で仕事をされている人々なら、日々手がける仕事は決して華やかなものではなく、細かいチェックと小さな改善の繰り返しだということはお解りだと思います。しかし、その小さな改善や工夫がグループ全体に及ぼす影響、特にお客様との接点やそれを支える物流などの仕組みへの貢献という意味では大きなインパクトになり得ます。当社グループの店舗には、国内だけでも1日あたり約2,220万人(2023年2月期)のお客様が来訪されます。このすべてのお客様の体験価値に何かを付加できたら……そう考えると、ここで行われている日々の仕事は結構エキサイティングなのかも知れません。同時に、働く環境面や仕事のプロセスにおいても、皆の意思を結集することでさらに良い形に変えて行こうとしています。

斎藤

- グループDX本部およびグループセキュリティ統括室で働くからこそ得られる経験や学び、挑戦機会があるとすれば、それはどういったものでしょうか。

自分が没頭できる仕事に携わる喜びや、自らの力を駆使して新しい価値を生み出す経験、そしてそこで得られる技術・知見は、真剣にやればやるほど自身の価値を高めることになるはずです。グループDX本部およびグループセキュリティ統括室の特徴としては、例えば扱うデータの量やバリエーションはケタ違いに多く、また一緒にDXを進めるグループ各社やパートナー企業も多岐にわたります。加えてAI人材の育成やデジタル技術・知識を向上させるための研修プログラムもスタートしており、高度な資格の取得・維持を後押しする仕組みも出来上がりつつあります。研修で行う機械学習やディープラーニングを活用した需要予測モデルのプログラミングは、データが多様で大量であることから、経験者の方にとっても新たな学びになると思います。

経験のないことに挑戦し、それをやり遂げてこそ、一回りも二回りも、大きく成長できる……そういう機会が、グループDX本部およびグループセキュリティ統括室にはゴロゴロ転がっています。ただそれは決して一人で実現できることではありません。多くの仕事はチーム単位で行われますし、直接携わるチームだけでなく、グループ各社のビジネスサイドにも管理サイドにも多くのステークホルダーの方々がいます。さらにその先にはお客様やセブン-イレブン加盟店オーナー様もいる。そうした拡がりを意識しながら、物事をやり遂げていくという視点も大切です。

小売・流通業界のDXは世界的なトレンドであり、あらゆる企業が生存戦略として、必ず取り組んでいかなければならないトピックです。DXを自律的に牽引できる人はまだまだ少ないと思いますが、そのニーズはこれからも高まっていくでしょう。当社には優秀な仲間が大勢いますし、レガシーを変革する余地も十分にあるため、どん欲に成長していきたいと思われる人にとっては、魅力的でやりがいのある職場だと思います。

成長したい、DX領域で活躍できるスキルを磨きたいと思っている皆さんへ

- 最後に、この記事をご覧になっている皆様に、何かメッセージがあればぜひお願いします。

新しい可能性にチャレンジしようという熱い思いを胸に秘めている人たちに、ぜひ仲間になっていただきたいと思います。高いスキルを持っているエンジニアの方はもちろんのこと、プロジェクト全体をまとめ上げて推進できるPM、様々な立場の人々と円滑なコミュニケーションを取りつつ全体調整を行える開発ディレクターなど……挙げだすとキリがありませんが、様々な職能と高い志を持った方々を採用させていただこうと思っています。
既に述べましたが、決して簡単な仕事ではありません。明確な答えのない状況で、自らの意思で積極的に周りとコミュニケーションを取り、明確なコンセンサスをもって解決を図る……背負うものは大きく重く、難易度も高いですが、間違いないなく大きな成長につながります。DXを通して小売・流通の新しい未来を描きたい、社会に新しい価値をもたらす組織の一員でありたい……そんな思いを抱いている方々と共に働きたいと、私たちは強く願っています。

※所属表記・記事の内容は、取材当時の内容に基づきます

斎藤
株式会社セブン&アイ・ホールディングス 常務執行役員 最高情報責任者(CIO) 兼 グループDX本部長
齋藤 正記

大手総合商社に新卒入社。IT子会社の代表取締役社長、執行役員ICT事業本部長等を歴任し、子会社業績回復に向けたビジネスモデル変革、ソリューション開発を指揮、さらにグループ全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)に資する組織戦略を策定し、各種プロジェクトを牽引。
2019年セブン&アイ・ホールディングスに入社。セキュリティ統括室室長等を経て、2021年より現任。グループ全体のIT基盤、システムの整備・統制、DXの推進、データ利活用のための基盤拡充などを実行する組織全体のマネジメントを統括。