「7つの重点課題」活動レポート

2020.12.22

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  • 食品ロス・食品リサイクル対策

お客様の消費行動の変化で加速するエシカル消費

2020年5月に全国のセブン‐イレブンでスタートした「エシカルプロジェクト」。エシカルシールが貼られたおにぎりは目にしたことはありましたが、具体的にどのような取り組みなのかまでは知らない方も多いかと思うので、その取り組みについてライター吉田が取材してきました。店舗から出される食品ロスの削減を目指すこの試みは、着実に認知が広まりつつあります。その一例として今回は、「エシカルプロジェクト」の取り組みに力を注ぐセブン‐イレブン店舗のオーナー様を取材し、その取り組みの裏側に迫りました。

Chapter 1

セブン‐イレブンが力を入れるエシカルプロジェクトとは?

エシカルプロジェクトとは?

皆さんは「エシカル消費」という言葉を耳にしたことはありますか?そもそもエシカルとは「倫理的」という意味で、地球環境や社会などに配慮した消費によって、持続可能な社会に貢献する行動のことを指します。
こう書くと仰々しく感じる方もいるかもしれませんが、日常的な買物におけるちょっとした工夫がエシカル消費につながります。例えば、消費する「モノ」の背景に思いを馳せ、誰が、どこで、どのように生産したのか、また、売れ残った場合にどのように処分されるのかを考えて消費行動を実践することで、環境・社会・人などに配慮できるのです。
セブン&アイ・ホールディングスでは、世界的課題でもある、食品の流通過程で生じる売れ残りや食べ残し、食用として提供できなくなったものなどの「食品廃棄物」の削減を目指すため、食品廃棄物を2013年度に比べて2030年までに50%削減、2050年までに75%削減という目標を掲げています。

その取り組みの一環として販売期限が近付いたおにぎりや弁当などを電子マネー「nanaco」でご購入いただいたお客様にセブン‐イレブン店頭価格(税抜)に対し5%分のnanacoボーナスポイントを付与する「エシカルプロジェクト」を、2020年5月より全国のセブン‐イレブンの店舗で実施。エシカル消費をお客様とともに広めていけるよう、プロジェクトを推進しています。
取り組みにご賛同いただいたお客様に対象商品をお選びいただくことで、販売期限切れによる食品ロスを減らす取り組みです。
エシカルプロジェクトの効果としては、2020年5月11日から6月10日までの31日間における利用者は約592万人、昨年と比べ全国平均で1店舗あたり約2割の食品ロス削減につながりました。このプロジェクトによる効果が出てきているため、さらに多くのお客様に知っていただけるよう周知活動にも力を入れ、食品ロスの削減に取り組んでいく予定です。

Chapter 2

陳列工夫とコミュニケーションで認知度UP!

エシカルプロジェクト対象商品の「エシカルシール」

エシカルプロジェクトを実施するセブン‐イレブンの店舗では、どのような想いでこの取り組みを行っているのでしょうか。意欲的にプロジェクトに取り組んでいるオーナーのひとりである勝俣彰久さんに話を聞いてきました。
「エシカルプロジェクトが始まると聞いた時は、率直に良い内容だと思いました。運用にあたっては、まずは従業員に内容を理解してもらうようしっかりと説明を行い、それから話し合いを重ね、みんなでより効果的な方法を模索しました」

運用の改善に加えて、プロジェクトを成功に導いている一つの要因として、店舗スタッフによるお客様への周知徹底が挙げられると勝俣さんは語ります。
「時間のある時は、レジで積極的にご説明するようにしています。コンビニといえば食品ロスというイメージを抱くお客様がいらっしゃることも事実ですが、社会的問題に敏感なお客様には『前向きな取り組みが始まった』と評価していただいています」

お客様とのコミュニケーションの中で、特に勝俣さんが印象に残っているのが、ひとりのお客様にかけられた「緑色のシールが良い」という言葉だったそうです。
「商品を売り切るのが優先だとしたら、赤い割引シールとかを使って割引を押し出すけど、これは違うねと言っていただけました。緑という色から、エシカルプロジェクトのコンセプトが伝わっているのだと思います」。対象商品が単純な割引販売ではなく、エシカル消費を促す取り組みの一環であることは、徐々に広まっているようです。

Chapter 3

お客様との信頼関係がエシカル消費を推進

エシカルプロジェクトの推進

勝俣さんはこれまで、経営する店舗が住宅街にある利点を活かし、地域のお客様との交流を重ねてきました。今回のエシカルプロジェクトにおいても、積極的にお客様に話しかけ、認知度の向上に力を注いでいます。
「対象商品を購入してくれた方には、エシカルプロジェクトの説明をしてから、明日に食べるのであればシールの貼ってない商品をどうぞ、と話しています。そういったコミュニケーションをとっているうちに、すぐに食べるというお客様は対象商品を選んでくれるようになりました。私たちの目的は購入者を増やすことではなく、エシカルプロジェクトの認知を向上させること。賛同していただけるお客様は次も対象商品を購入してくださいます。

特に好感触だと勝俣さんが感じているのが、マイバッグを持っているような中年層の主婦のお客様。レジ袋の有料化、環境素材を使ったスプーンやフォークなどの採用などにより、これまで以上に環境問題への意識が高まり、エシカルプロジェクトに対しても好意的に考えていただけているお客様も増えてきているとのこと。また、最近では、お客様からも「おでんやコロッケなどのホットスナックも対象商品にしてほしい」という声もあがるなど、お客様側からお声をかけていただけるようになり、認知の幅が広がってきているようです。
たくさんのお客様が環境問題に意識を持ち消費行動を変化させていることが伺えます。

Chapter 4

地道な草の根運動で社会は変わっていく

エシカルプロジェクトの認知度は徐々に広がっていますが、エシカルシールを見て何かわからないというお客様はまだまだ多いと思います。今後の展望について、勝俣さんは次のように語ります。
「やはりnanacoの認知度の向上がカギになるでしょうね。一番の目的は食品ロスを減らすことなので、もっと間口を広げると良いかもしれない。nanacoだけでなく、ほかの電子マネーと提携することもより多くの方に利用していただくための一手かもしれませんね」

また、環境問題を包括的に改善していく取り組みとして、こちらの店舗ではエシカルプロジェクトだけではなく、地域における環境活動にも意欲的です。
「セブン‐イレブンは多くのお客様にご利用いただいている反面、街中で販売商品のごみも目立ちます。そこで、お店の周りでも近隣の公園でもいいので、近場のセブン‐イレブンが協力して清掃活動を行うことを考えています。草の根の活動で環境問題への意識を高めることが、回りまわってエシカル消費にもつながるのではないでしょうか

セブン‐イレブン
練馬豊玉中3丁目店 オーナー

勝俣 彰久さん

ほか4店舗を経営

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