ホーム サステナビリティ 明日にいいこと。つなげる、つづける。 「7つの重点課題」活動レポート お客様と二人三脚で取り組む「食品ロス問題」【エシカル消費編】

「7つの重点課題」活動レポート

2020.12.22

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  • 食品ロス・食品リサイクル対策

お客様と二人三脚で取り組む「食品ロス問題」【エシカル消費編】

食品ロスの削減は、未来世代に豊かな環境を引き継ぐため、社会全体で取り組むことが重要です。食品ロス・食品リサイクル対策チームのリーダーである石橋誠一郎さんは、この取り組みを推進するために、お客様と一緒に力を合わせて活動していきたいと語ります。

Chapter 1

環境への意識が変わる“エシカル消費”

チームリーダーの石橋誠一郎さん

食品ロスを削減するためには、消費者であるお客様との協調が欠かせません。セブン&アイグループは、国内に約2万2500の店舗を展開し、1日に2500万人以上のお客様が訪れます。石橋さんは、多くのお客様と協力関係を築いて問題を解決していくことが重要であると考えています。
「これまでの取り組みでは、中心となっていたのはメーカー様でしたが、今後はお客様も一緒になっていただき食品ロスに取り組まないと進化していかないのではないかと。これだけ店舗があり、お客様との接点があるのですから、さまざまな活動にぜひご参加いただきたいという思いがあります」

お客様も一緒に環境問題を意識していただく取り組みとして、食品ロスのさらなる削減を目指す『エシカルプロジェクト』を2019年10月にスタート。
これは、廃棄食品を出さないための“エシカル消費”(世界的な課題である貧困、人権、気候変動などによる環境問題に配慮した倫理的な消費のこと)を推進する取り組みで、持続可能でより豊かな地球で暮らしていくために世界的に注目されている考え方の下、スタートしました。

エシカルプロジェクト

プロジェクトでは、消費期限の迫る商品にシールを貼り、nanacoで購入されたお客様に5%分のポイントを付与するというサービスを実施。一部では「ポイント数が少ない」という声があがっていますが、石橋さんは「消費期限が近いから商品を買ってほしいということではなく、すぐ食べるなら手前から商品を取って頂くことで世界的な食品ロスの課題を一緒に考えていきましょうというメッセージを込めています」と、真摯なまなざしで語ります。日常の買物の中で、少しでもお客様に食品ロス問題を意識していただけるようにとプロジェクトの認知を徐々に広めています。

Chapter 2

必要なだけ買う・消費する

食品ロスを削減するためには、エシカルプロジェクトのみならず、日常における地道な努力の積み重ねが大切です。石橋さんは、普段の生活で取り組める方法について、次のように話します。
「基本としては、適量の商品を必要な分だけ購入していただくことが大切です。たとえば、セブン‐イレブンのカップデリシリーズは、もう一品食べたいという時にちょうど良い量で、食べ残しを防ぐのに役立ちます。ご家庭で保存のきく加工食品、冷凍食品に関しても、食品ロスを減らすという意味においてはおおいに活用していただきたいですね」こういったお客様のニーズに合わせて商品を改良していくことで、お客様としても買いすぎを防ぐことができ、結果的に食品ロスの削減につなげていけるといえるでしょう。

Chapter 3

独自のリサイクルシステムが完成間近

食品ロスを削減する取り組みを進めていっても100%なくすことは難しいのが現状です。そのため新たな取り組みとして、食品ロスを含む廃棄物を、補助燃料を使わず、熱分解で減容し再利用するリサイクル装置の実証実験にチャレンジしているそうです。
これは、食品だけではなくプラスチックなどの処理も可能で、有害物質を排出せずにリサイクルできるため、開発・導入によって食品リサイクル率の向上が望めます。
「どんな理由にしても、最終的に残ってしまった食品は私たちが発生させたものです。小売業として責任をもって減らしていく取り組みを進化させていきたいと考えています」

差し当たっての目標は、2020年のうちにイトーヨーカドーの店舗にリサイクル装置を設置すること。セブン‐イレブンについては、お取引先の承諾を得たうえで専用工場にリサイクル装置を設置する、あるいは近隣のセブン‐イレブンから廃棄食品などを集荷してイトーヨーカドーでリサイクルするという未来図を描いています。この好循環を実現するためにはお客様の協力が欠かせませんが、石橋さんはグループにおけるこれまでの実績と経験から実現可能だと自信をのぞかせます。

「世界的な風潮もあり、ペットボトルの回収などへのご協力をはじめ、お客様の環境意識は急速的に高まっていると感じています。その思いを受け止めるためにも、リサイクル装置の導入を現実のものにしたいですね」

Chapter 4

豊かな自然環境を未来に残したい

2019年5月に発表された環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』より1年以上が経過しました。石橋さんは「現在行っている取り組みをしっかりと進めていけば、第一段階として2030年の目標である食品ロスの50%減は達成できるのではないかという手ごたえを感じています」と、背筋を伸ばして語ります。
現在は、世界的な課題を消費者一人ひとりが真剣に考える時代です。遠くない将来、おトクだから買うのではなく、環境負荷が少ないから買うというエシカルな消費行動が当たり前になるでしょう。

お客様の接点となる私たち小売業は、持続可能な取り組みに協力していただくための仕組みを整え、小さな積み重ねから食品ロスの削減を日本中、世界中に広めていきたいと考えています」
食品ロスは一つの企業の問題ではなく、未来世代に豊かな環境を引き継ぐための地球規模の問題です。セブン&アイグループは、企業活動に関わるすべての人の協力を得ながら、目標達成に向けてさらなる進化を目指します。

食品ロス・食品リサイクル対策チーム
チームリーダー

石橋 誠一郎

セブン&アイ・ホールディングス 常務執行役員
グループ商品戦略本部長

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