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対談ブレークスルーのヒント

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対談 ブレイクスルーのヒント

ゼロから出発するチャレンジ精神で「不可能という常識」を覆す


セブン&アイHLDGS. 代表取締役会長 鈴木敏文
対談 ブレイクスルーのヒント

(かまだ・ゆみこ)
1966年茨城県生まれ。1989年日本女子大学文学部卒業後、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)入社。本社開発事業本部を経て1991年より大手百貨店に2年間出向。その後JR東日本本社立川プロジェクト、ジェイアール東日本商業開発(株)出向を経て、2001年、本社事業創造本部立川駅・大宮駅開発プロジェクトリーダーに就任。2003年9月、(株)JR東日本ステーションリテイリング設立にともない同社取締役営業部長兼務。2005年6月、同社代表取締役社長に就任。


株式会社JR東日本ステーションリテイリング 代表取締役社長 鎌田由美子
2008年2月収録

既存のものに頼らずニーズに合わせてショップを開発

鈴木 最近ではエキナカという言葉が定着するほど、駅の商業施設が充実してきました。このエキナカのビジネスを立ち上げ、現在陣頭に立ってチャレンジを進めている鎌田さんをお招きして、今日はそのチャレンジの軌跡をうかがいたいと思います。
駅は通勤、通学する人にとっては朝晩必ず訪れる場所ですから、その中にきちっとした商業施設を設ければ、お客様にはたいへん便利になります。そもそも鎌田さんがエキナカのビジネスに関わったきっかけは何だったのでしょうか。

鎌田 私は、JR東日本に入社後1年間ほど上野駅の旅行センターに勤務してから、本社の上野駅開発プロジェクトに配属されました。当時は、上野駅に文化施設、ホテル、百貨店をつくる計画を立てていました。その投資内容の検証を百貨店さんなどと勉強していたのですが、私はその話についていけず、勉強のために百貨店さんへの出向を希望して、2年間大手百貨店さんで勉強させてもらいました。そこで販売から物流、催事など20カ所ほどの部署を体験し、商品の管理から陳列の仕方までさまざまなことを学んだことが、その後の「エキュート」のビジネスに生きていると感じています。
駅というのは、従来は、大勢の人が通過していく場所だったわけですが、視点を変えて「いろいろな人が集まり、楽しめる快適な空間」に変えようという考え方から生まれたのが「エキュート」です。駅の中に店をつくるというのではなく、駅と商業施設を融合させることで、今までにない新しい価値を生み出そうと考えたのです。
「エキュート」は2001年にプロジェクトがスタートして、2005年3月に大宮が開業しました。その後、品川、立川が開業して、現在3店舗です。これらを運営しているJR東日本ステーションリテイリングは、2003年に設立されました。

鈴木 新しいことを始めるには、いろいろとご苦労もあったと思いますが、たいへんだったのはどんな点ですか。

鎌田 駅を変えていくと言っても前例がまったくなく、スタッフも駅については知っていても、流通については素人でした。そこで白紙の状態からスタートして、それぞれの駅の立地特性や客層の特性などから、どういう施設が必要かを考えていきました。既存のショップなどをそのまま集積するというのではなく、今のお客様のニーズを考えて、何があったら便利なのか、何が求められているのかを追求し、開発を進めていきました。そしてお取引先には、私たちの売場に合わせて商品開発、品揃え、売場づくりをお願いしていきました。コーヒーとチョコレートを組み合わせたコンセプトショップや、有名レストランに物販店を出店していただくなど、結果的に多くの新ブランド、新業態が生まれました。