新・総合生活産業  変化し続ける社会の中で、進化し続ける「新・総合生活産業」を目指しています。

セブン&アイの挑戦

イトーヨーカドー

店舗マーケティングの強化で個店のニーズ対応力をレベルアップ

基本デザインの共通化で高品質・低価格を実現した「マッキオ」のショートコート。北海道・東北・信越地域ではフード付きで展開しています。

基本デザインの共通化で高品質・低価格を実現した「マッキオ」のショートコート。北海道・東北・信越地域ではフード付きで展開しています。
今、情報やトレンドの地域格差がなくなり、より地域に密着した商品が差別化のポイントとなっています。
イトーヨーカドーでは、地域マーケット分析を活かした店づくりをするために、昨年後半から衣食住の全部門にわたる「個店カルテ」の作成を開始。その調査結果に基づいた品揃えや売場づくりを進めています。
「個店カルテ」には、商圏の人口構成や競合店・公共施設などの立地与件をはじめ、地元のパートタイマーからヒアリングした地域のライフスタイル・生活習慣の特徴が細かく記されています。
「本当に地域の好みに合った品揃えになっているのかを見直しました。たとえば北海道では屋内暖房が行き届いているので、部屋着や肌着は薄手だというのはわかっていました。今回、着用の地域的な特徴や素材の厚み、生地の好みなどを徹底的にヒアリングしたことで、本部の押し付けではなく、本当のニーズに裏づけされた薄手の商品を充実させることができるようになりました」と、衣料DB部の責任者は言います。
「個店カルテ」を比較検討することで、新たなビジネスチャンスも誕生しています。
その一例が「病院マーケティング」です。近隣に総合病院がある店では、入・退院時に必要な商品を調べ、リハビリ用のパンツやマジックテープで簡単に着脱できるパジャマなどの品揃えを拡充し、売上げにつながりました。同様の視点で、「学校マーケティング」にも取り組んでいます。
このように、個店ごとに地域性とニーズを細かく分析できたことで、計画的な商品開発にも役立っています。
たとえば、従来、寒冷地向け商品として地域バイヤーが独自に仕入れていたフード付きコート。この冬、イトーヨーカドーの紳士ブランド「マッキオ」では、全国展開するコートと、素材・デザイン・カラーは同じで、フードだけを寒冷地向けに追加した結果、どちらも売れ筋となりました。共通化により、品質の向上と生産コストの低減も実現しています。
こうした「個店カルテ」の取り組みは引き続き全店に広げ、地域マーケットへの対応力を、より一層強固なものにしていきます。

西武百貨店

食文化や特産物に注目し地元で愛される商品を開発

秋田の伝統工芸品が揃う食器売場。

今、地元の方や観光客の間で「秋田名産を買うならここ!」と言われているのが、JR秋田駅前に位置する秋田西武です。
人気の秋田銘産品コーナーには、秋田の味の代表格・稲庭うどんをはじめ、銘菓やお米、つくだ煮や秋田味噌、漬物などがずらり。それぞれ地元で定評のある県内メーカーの品を取り揃えています。
「秋田にはおいしいものがたくさんあり、地元の方は皆、誇りに思っています。その気持ちに応えられるように定番品や話題の品をまんべんなくきちんと品揃えして、『西武に行けばきっとあるよ』とおすすめいただけるような信頼感を築くよう心がけています」と、販売促進担当者は言います。
食器コーナーには、秋田を代表する工芸品の数々が揃います。人気は桜の皮を使った樺細工や、川連(かわつら)漆器、杉の木を加工した曲げわっぱで、その美しい風合いは県外の方へのおみやげにはもちろん、地元の方々の新築祝いなどにも喜ばれています。品揃えの豊富さから、日常使いにと探しに来られる方も多く、伝統工芸の技は今も秋田の暮らしに健在です。
お中元・お歳暮でも、地元銘産品は圧倒的な人気を誇っています。
「現在、県産品が売上げの約3割を占めています。他の西武のお店では1割程度であることを考えると、やはり秋田のお客様の地元製品への愛着には並々ならぬものがあります」。
売上げを伸ばし続ける背景には、そうしたお客様のニーズを察した品揃えとアピール施策があります。秋田西武では毎回、全店共通のギフトカタログのほかに、独自に「秋田銘産品ふるさとギフト」として品揃えを行いカタログを制作。ギフトセンターでは特設コーナーを設置して県産品を大きく打ち出し、お客様の共感が得られる売場づくりに取り組んでいます。その結果、2006年お中元では、前半の売上げランキングトップ10のすべてを県の銘産品、稲庭うどん類が独占しました。
「県外の親戚が毎年、秋田銘産を楽しみにしている」といった声も寄せられ、「県産品なら秋田西武」という期待はますます高まっています。